関係性はつくるもの

さまざまな関係性についての妄言

ワールドトリガー28話の迅さんと風刃

ワールドトリガーが連載再開だ。とてもうれしい。
私は黒トリガー争奪戦が大好きだ。
具体的には、28話で描写される風刃の厄介さが好きだ。
もうひとつの注目点である(曇りない眼)嵐山と迅の関係性はちょっと置いといて、28話の風刃について書きたい。

強力な風刃だが、弾数には限りがあり、その後はリロードの隙ができる。
菊地原の首を飛ばし、歌川に手傷を負わせ、残りメンバーを牽制して残り8本。
追い詰められたガレージ内で太刀川に1+5本。
この時点で風間たちがガレージ内に突入してくるが、風刃本体の状態を見て瞬間的に歌川が残弾数0だと叫ぶ。
迅を倒すにはリロードの隙を突くことが重要なため、この僅かな時間で次の行動を決断した風間は、迅を拘束することには成功するも、フィニッシュを任せようとした太刀川もろともにあらかじめ仕込まれていた1本で斬られる。

この流れを初めて読んだとき、マ~~ジで迅さんと風刃の組み合わせ、最悪で最高じゃん…となった。今もなってる

風刃の嫌なところはまず、弾数が光の束として視認可能な状態にあるということだ。
なので、リロードの隙を狙いたい敵側としては、「光の束がない状態」を攻撃に転じるチャンスと見たい。そのチャンスが視認できるようになっているため、一見、風刃の残弾数可視はデメリットのようにも思えるわけだ。
ところが、風刃はブレードなのに遠隔狙撃めいた挙動を持つのみならず、攻撃を仕込んでくる。
任意のタイミングで起動できるトラップ・地雷としての能力も持つ。当然だが、この仕込まれた状態での刃は光の束として視認できない。
そのせいで、せっかく「光の束がない状態」の迅と対峙できても、全然安心できない。地雷原でうかつに攻撃できるわけないから。

でもそこで仕込みを恐れて手をこまねいていては、その間にリロードが終わってしまう。
よって、敵側は時間制限の焦りから判断ミスを誘発されることになる。地雷があるかもなのに。
実際、風間さんはリロードの隙を逃すまいとしたとっさの判断で弾数を誤認するミスをした。

その厄介な遠距離攻撃性能と仕込みを看破し、確実に迅の撃破を狙うなら、「迅の行動の一切を見逃すことなく残弾数を計算し」接近戦を挑まなければいけない。
だから迅さんから目を離すわけにはいかないのだが、黒トリガー争奪戦のように遮蔽物の多いフィールドに入られてしまうと、それも難しい。
菊地原のサイドエフェクトによりチーム内での情報共有に秀でる風間隊や、スナイパー部隊などが総力を注いで迅を追跡するなら可能かもしれないが、チーム全員がひとりに釘付けにされるデメリットは大きい。

しかも、迅が仕込みをしたと考えられるような所作を目視できたとしても、風刃の刃は物体を伝播して、動くのだ。刃を突き立てたところとは全然違う場所に仕込みがあったりする。
どこに仕込みがあるのか分からない遮蔽物だらけのフィールドで接近戦を強いてくるのだ。
なにこの武器?

極めつけが迅さん本人のサイドエフェクトだ。敵側の行動を(全てではないとはいえ)予知してくる。
もうこれ迅さんの視認可能範囲外からの狙撃しかなくない…?
→遮蔽物を利用してくるため射線が通らない+予知で避けられる。
いい加減にしてほしい(しなくていい)

これだけ無法な迅さんと風刃にあれだけの立ち回りを見せる太刀川さんたちの格も下がらないし、28話は一話で満足感がすごい。
風刃はいいぞ。